ぼくのメジャースプーン 辻村深月 を読んで
みなさんこんにちは。初任小学校教諭のかよです。
今回も読了した本を紹介していきます。
今日、オススメしたい本はこちら。
2007年 第60回日本推理作家協会賞長編及び連作短編部門にノミネート
あらすじ
ぼくらを襲った事件はテレビのニュースよりもっとずっとどうしようもなくひどかった――。ある日、学校で起きた陰惨な事件。ぼくの幼なじみ、ふみちゃんはショックのあまり心を閉ざし、言葉を失った。彼女のため、犯人に対してぼくだけにできることがある。チャンスは本当に1度だけ。これはぼくの闘いだ。(講談社文庫)
舞台は小学校。
主人公は小学四年生のぼく。
この主人公、実は特殊能力を持っています。
(と言ってもいわゆるSFとかファンタジーではありません)
その能力とは、
『条件ゲーム提示能力』
基本的には『Aという条件をクリアできなければ、Bという結果が起こる』という言葉で、Bで脅迫してAを強制するというもの。同じ相手には使えない。
例えば、「お菓子をくれないと、大切なものがなくなるぞぞ。」
この場合、言われた側は大切なものが無くなっては困るので、お菓子を私にくれます。
このAとBどちらが、言われた側にとって重要視するかを考え、相手を条件下で操作することができる能力です。
そんな主人公たちの学校で飼われていたうさぎ達が市川雄太という大学生の手によって殆どが命を落としてしまう事件が起きてしまいます。
そのせいで、ぼくの大好きな”ふみちゃん”が声を失ってしまいます。
しかし犯人は、兎くらいでは実刑は受けないと知っている確信犯。
ぼくは、この犯人対してどのような復讐を果たすのか。
声を失った”ふみちゃん”はどうなるのか。
「書き終えるまで決めていたのはただ一つ、<逃げない>ということ。――私の自信作です」――辻村深月
作者が言うように、途中の描写は目を背けたくなります。
登場人物は、私が職業柄多く関わる小学生。
だからこそ、主人公が今のクラスの子たちと重なります。
こんなとき、自分ならどうするか、何ができるか。
クライマックスは、さすが辻村深月の一言。
ミステリーとしても楽しめます。
大人として、小学校教師として一度は読んでもらいたいです。